施工監理の大切さ
今日は、「施工監理の大切さ」、
というお話をさせて頂きますね。(^^)
今、富山の2世帯住宅の設計監理を請け負っていて、
その監理を、UYDCパートナー建築家の一人である
荒井さんという建築家に依頼しています。
http://arai-arch.net/
もちろん、彼にまかせっきりでは無く、
私の監理指示のもと、監理していただいているのですが、
とても緻密に監理してくれています。
荒井さんはとても優秀な建築家ですので、
富山で新築をお考えの方は、荒井さんをご検討くださいね。(^^)
さて、下に添付した監理報告書をご覧ください。
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報告書を見ると、赤字が結構あって、
施工にいくつか間違いがあることが分かります。
しかし、これは、少ないほうです。
施工を依頼している工務店さまは、とても優秀であり、
これは珍しいほうです。
通常、多くの建築会社さまは、間違いはもっと多いです。
だから、我々建築家はいつも苦労しています。
大半の建築会社さま(工務店・ハウスメーカー)の施工というのは、
職人さんと現場監督という2人体制で進めます。
そして、この「2人体制」というのが、実は、おかしいのです。
職人さんというのは、学校で勉強するのではなく、
親方の元で学びます。
親方が素晴らしい知識・技術を持っていれば良いのですが、
そうでない親方が沢山いらっしゃいます。
そういう親方の元で働いた職人さんは、
当然、充分な知識や技術を得られません。
しかしながら、そういう状態であっても、
見た目には、仕事が出来るように見えるので、
独立はできますし、仕事も入ってきます。
しかしながら、施工基準の知識は知らないので、
釘を打つ技術はあるものの、
釘のサイズやピッチの知識を知らないので、
サイズが違っていたり、ピッチが違っていたり、
となってしまうのです。
そして一方の現場監督は、と言うと、
全ての分野を知っておく必要があるのですが、
これは至難の業です。
一つの分野であれば、習得するのが可能でしょうが、
全ての分野となると、なかなか習得できるものではありません。
◎基礎工事
◎屋根工事
◎木工事
◎換気分野工事
◎コンセントや照明器具工事
◎塗装工事
◎外壁工事
◎内装工事(クロスや塗り壁)
◎建具工事(サッシや室内ドア)
◎水道工事
◎外構工事
等々、家を建てるには、沢山の分野があり、
それらすべての知識を習得することは、
理想ではありますが、たいていは無理です。
付随して言えば、現場監督は多忙すぎるのです。
監督は、現場を監督するだけではなく、
材料の選定・発注・納品時確認や、
職人の手配・指示や、
スケジュール管理、等々、
山のような仕事を抱えているため、
施工のチェックだけに専念できないのが普通です。
結果、充分な知識の無い職人さんと、
分野が多すぎて、多忙すぎる現場監督さん、
という2人だけで、家づくりをしているので、
失敗があって当たり前なのです。
ですから、結論を言えば、
職人と監督、という2人体制では、良い家は建たないのです。
だから、その間違いを指摘し、正しい施工法を教える
「監理者(建築家)」が必要になってくるわけです。
完成後、「欠陥がある」だの「不具合がある」だの
後悔する施主さまが少なくありませんが、
本来、「職人・監督・建築家」という3人体制でやるべきものを、
2人体制でやっているから失敗してしまうわけです。
公共建築物を建てる場合は、
必ず、3人体制で当たるのですが、
住宅に関してだけは、2人体制が当たり前になってしまっています。
本来、必要である「3人体制」だと高価になる・・・
「安く買いたい」という施主側と、
「安くしなければ売れないから、2人体制で売ろう」
という建築側の両者の思いが重なって、
2人体制が横行しているのです。
本来、3人で担ぐ重量のある神輿を、
「2人で担いでいる」のです。
ひどい場合だと、現場監督はあまり現場に来ず、
職人さんにまかせっきり、すなわち「職人1人体制」
というところさえ、少なくありません。
皆さんは、是非、3人体制を採用してくださいね。
家づくりを、建築家に依頼しない場合は全て、
自動的に、2人体制になってしまうので、
監理だけでも建築家に依頼したほうが良いです。
また、建築会社については、
充分に現場に来てくれる現場監督がいる 、
職人に任せきりにしない建築会社を
選んでくださいね。<(_ _)>